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2007 / 12 / 14 ( Fri )
生きる意味の問い


【男の履歴書】


不死の男 「欲求」の克服者・事象の完全に悟る 
『欲をかき生きることの無意味さ』
・山中
・不死であり転生する世をくりかえしみてきた
・不死ゆえの大罪の克服

「ラッキーボーイ。共通して認識しているのはお前がラッキーボーイだってことだ。証明なんぞいらん」

「驕るな、その口先から吐かれた言葉がお前の愚を他人にみえるようにしてしまう。もっともおごりを隠せたとしても驕ったというその時点でもうすでに終わりのある者の限界がみえてくるものだが。」

「理解しているんじゃない。理解させられているんだよ」

「おまえが追われているのは恐怖か?それとも己か?」

「怠惰という観念は、勤勉な者の嫉妬と高慢から生まれたものかもしれないな」

「羨んでも飛ぶものも這うものも逝きつく先は同じ「死」という事象だ。だから羨むなというのは利に叶わないものだが。」

「死は何かだと?生の反対でもなく終わりでもない。だがはじまりでもないのは確かだろう。生きる中でそれを考えればいいのはそれ眼にみえる距離になったときだろう。眼に見えぬように歩みを止めねばいい」

「どう生きるべきか?その類の問いすべてが無意味だ」

「意味などは存在しない。全てがあとづけの付け焼刃だ」

「全ての法則もいくつかの不思議も、例えそれを知ることができたとしても、おまえが存在する意味とは関わりのないことだろう」

「どこへいってしまうかだと?どこからもきていないしどこへもいかないさ」




幽玄の乙女 「存在」証明なき者 
『他との関わりで我をたてることの儚さ』 
・牢獄
・数時間しかみることも話すこともできない乙女
・本人は存在しみることはできるがそのほかの時間はふれることもみられることもできない
・美しく魅力的な声と姿


「貴方はラッキーな人。ミスターラッキー」

「私以外からそっとみえなくなってしまう。消えてしまうのではないの。確かに私はみえているし聞こえているの」

「寂しいという感情はもう消えてしまったかって?一生寂しがりつづけるものでしょうね」

「ある人にとっては人と話すことは冷たい刃を体に押し当てることよ。でもそういう人達っていうのはそれをせずにいられない人種なのねきっと」

「私が存在しているかって?それをきいても貴方には認識できないわ。イメージすることしかできない。でもそれは貴方の存在だって同じこと」

「消えることと見えなくなることなんて多数決で区別できることじゃないでしょ?その消える主体しかわからないはずだしその主体すら自覚していないかもしれないじゃない」

「本当に触れられている?理解している?認識しているだけにすぎないでしょ?」




雌雄なき完成体 未来求めるものなき存在
『繁殖することを目的とすること生への疑問』
・フラスコの部屋
・男性でも女性でもない機能的審美的にも究極の肉体
・中世的な声



「ラッキー。そうきみは幸運そのものだ。」
「私は終わりの存在。もう増やす必要もないし究める必要もないし産み増やす必要もない」

「なぜ、他の生き物は繁殖しつづけるんだろうね?その先に何があるんだろうね?いつかの未来にゴールがあるわけでもないだろうし、ゴールがあったとしてそのゴールにはどんなご褒美があるんだろうね。」

「一人では欠けているから異性を求めるといった者がいるよ。それは単なる依存ではないのか?」

「これほどあらゆるものと思しき存在が様々なことをするこの世界に目的など存在したらそれがその世界の終わりにきまっているだろう。」

「何がなんだろうね」

「大丈夫。全て夢おちなんていう下らない始末にこの世界はしやしないさ」
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