春なのに冷たい雨だった。

きちんと堅持している生活習慣は、堅強な意志と肉体を保障するはず

そう思って、水の落ちたずぶぬれの頭に手をやる。

「いつもそうやって邪魔が入る」




強く蹴りだした時間というものは

動き出してしまったら思いのほか歯止めの利かないものだ。

追われることより追う事を選らんだものの、

その不断の緊張を自らに強いることに飽きているのが正直なところ。


そうしてまた、退屈な戦場へ、

「独りかっこつけていくんでしょ」と気を察したように

薬指が言う。

「バカね」



二次元な罠にハマル人間の気持ちを知る。



不甲斐ないと周りを見渡して深呼吸。




鈍く光った自尊心と義理堅さ

落としていないか再確認。

簡単にだしてはいけないカードと傷がある。

口にしてはいけない。





威厳などもう盗られてしまった気がした暗い天気の日。

荘厳な雨雲の行進。


ため息をついて木曜日はまた日常へ戻る。

厳かな木曜日。

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